要注意!糖尿病でかかりやすい5感染症をチェックしよう

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糖尿病と感染症の関係

糖尿病になると、さまざまな感染症にかかりやすくなります。ただ最近に感染しやすくなるだけではなく、重症化しやすく治りにくいといった危険性もあります。

糖尿病の方が日常生活で気をつけなければいけない感染症にはどんなものがあるのか、そしてどうすれば予防できるのか、そのポイントをまとめて紹介します。

糖尿病と感染症にかかりやすい理由って?

糖尿病ではウィルスから感染症にかかりやすい

そもそも、どうして糖尿病になると感染症にかかりやすくなるのでしょうか。

人間には、体内に細菌やウイルスなどが入ってきたときに、それを撃退する免疫システムがあります。その免疫システムの中心として働くのが白血球。白血球の中には「好中球(こうちゅうきゅう)」と呼ばれる成分があり、この好中球が体内に入ってきた細菌やウイルスを取り囲んで、食い殺してしまいます。

ところが糖尿病になると、つねに血糖値が高い状態が続きます。すると好中球の機能が低下して、細菌やウイルスを食い殺せなくなってしまいます。さらに、高血糖の状態では血液中の糖分が栄養となって、細菌やウイルスが活動しやすい体内環境になっています。そのため、細菌やウイルスによる感染症が起こりやすくなるのです。

糖尿病では感染症の悪循環に要注意!

感染症になりやすい原因は、それだけではありません。人間の体は、一度侵入した病原体に対して抗体を作り、次に同じ病原体が侵入してきたときに素早く防御するようになっています。これを「免疫反応」と呼びますが、高血糖の状態では免疫反応も起こりにくくなってしまうのです。

また、高血糖状態の血液は粘度が高いため、体の末端の細い血管では血流が悪くなります。すると、細菌やウイルスに感染したとき、撃退するのに十分な量の白血球が、感染した部位まで行き届きにくくなってしまいます。さらに、酸素や栄養も体の隅々まで行き渡らなくなるため、細胞の働きも低下してしまい、ダメージからの回復がしにくくなります。

気づくのに遅れて進行することも

糖尿病によって神経障害が起こっている場合は、痛覚も鈍って痛みを感じにくくなっています。そのため、感染症の原因となるケガなどに気づくのが遅れて、その間に感染症が進行してしまうこともあります。

細菌やウイルスに感染すると、インスリンの働きを阻害する物質が増え、血糖値がさらに上がることがあります。すると糖尿病も悪化して、感染症をさらに進行させてしまうという、悪循環に陥ってしまうのです。

日常生活で糖尿病の人がかかりやすい感染症

糖尿病になると、ありとあらゆる最近やウイルスに感染しやすくなります。なかでも日常生活でかかりやすい感染症には、次のようなものがあります。

尿路感染症

尿路感染症は、細菌が尿道口から膀胱に侵入して起こります。女性は男性よりも尿道が短いため、女性のほうが尿路感染症にかかりやすくなっています。

細菌が膀胱の中にとどまっている状態なら「膀胱炎」。さらに感染が腎臓にまで広がると「腎盂炎」「腎盂腎炎」になります。膀胱炎になると、頻尿や残尿感、排尿痛、尿の濁りなどがみられ、腎盂炎や腎盂腎炎では、腰痛、発熱といった症状が出てきます。

対策としてはまず、トイレを我慢しないこと。糖尿病で神経障害がある場合には、尿意も感じにくくなっているので、3時間ごとにトイレに行くといった習慣をつけたほうがいいでしょう。

女性の場合は、排尿後のトイレットペーパーの使い方にも注意が必要です。後ろから前に向かって拭くと、雑菌が尿道の周囲についてしまうことがあるので、前から後ろに向かって拭く、洗浄便座を利用するといった対策をとるのがベターです。

上気道炎・肺炎

糖尿病の感染症でかかりやすい肺炎

上気道炎とは、鼻や喉に雑菌が繁殖して起こるの炎症のことで、いわゆる風邪を指します。鼻や喉でとどまらず、雑菌が気管支まで達すると気管支炎、さらに奥の肺に達すると肺炎になります。

上気道炎で見られる症状は、鼻水、咳、喉の痛み、熱などですが、肺炎になると胸の痛みや呼吸困難にみまわれることがあり、最悪の場合は死に至ります。

対策としては、こまめにうがいすること。できればうがい薬を使ったほうが、効果が高くなります。また、インフルエンザの時期には、念のために予防接種を受けておきましょう。

また、同じように呼吸器に起こる感染症として、結核があります。一時は感染者数も減少しましたが、最近になってまた感染者数が増加傾向となりました。結核の初期には風邪に似た症状が現れるので、風邪だと甘く見ていて重症化してしまうことも。もし体に変調を感じたら、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。

胆嚢炎(たんのうえん)

胆嚢炎(たんのうえん)は、胆石や細菌感染が原因で引き起こされる胆嚢の炎症です。糖尿病の方は、神経障害によって胆汁が滞りやすく、胆石症を抱えている人も多くみられます。そのため、胆嚢炎にもかかりやすくなっています。

胆嚢炎になると、息を吸ったときに腹部が痛んだり、黄疸や発熱などが起こったりします。胆石をできるだけ作らない、すでに胆石を練っている場合はできるだけ刺激しないよう、脂肪分の多い食事は慎んだほうが賢明です。

皮膚感染症

水虫を引き起こす白癬菌、カンジダ症のカンジダ菌などが、全身に感染することがあります。場合によっては皮膚のただれから潰瘍へと進行し、患部が壊死してしまうことも。そこまで重症化しなくても、水虫が爪にまで広がって、治療の難しい爪水虫になることもあります。

皮膚感染症を予防するには、とにかく体を清潔にしておくことが大切です。毎日入浴し、足の指の間や陰部まできちんと洗うようにしましょう。すでに水虫にかかっている場合には、医師の診察を受けて早めに治療しましょう。

歯肉炎

糖尿病の感染症でかかりやすい歯肉炎

歯と歯茎の間の歯周ポケットと呼ばれる部分に雑菌が入り込み、炎症を起こした状態が歯肉炎です。重症化すると、歯根の部分に膿がたまり歯が自然と抜けてしまいます。さらに、細菌の出す毒素が血管に入り込むと、インスリンの働きを阻害して糖尿病を悪化させてしまうこともあります。

食事の後はすぐに歯を磨く習慣をつける、定期的に歯科検診を受けるといった予防策が有効です。

感染症にかかった時の対処法は?

糖尿病の方が感染症にかかってしまうと、健康な人とは違う特別な処置が必要になります。これを「シックデイ」と呼びます。

感染症にかかると、血糖値を上げるホルモンが分泌され、血糖値が上昇します。健康な人なら同時にインスリンも多く分泌されて血糖値を保ちますが、糖尿病の方の多くはインスリンを追加で分泌することができないため、血糖値がより高くなってしまうのです。病気の重症度にもよりますが、一説によると通常時より30%は高くなるといわれています。

重症化予防にもすぐに医師の診察を!

感染症が疑われる状態になったら、すぐに医師の診察を受けましょう。市販薬も、成分によっては糖尿病の治療に影響が出ることもあります。また、ふだんはインスリン治療をしていない患者さんでも、感染症のときには一時的にインスリン注射が必要になることもあります。

また、感染症になると循環器や呼吸器に負担がかかることも多いので、運動療法は一時中断します。ただ、完治するまで安静にしているよりも、回復期に適度な運動をすると治癒が早まるという報告もあります。自己判断で動くよりも、医師の指示をあおいだほうがいいでしょう。

まとめ

感染症にならないためには、ふだんから生活習慣を整えて、細菌に対する抵抗力をつけておくことです。そしてなによりも大切なのは、血糖値をきちんとコントロールすること。

血糖値のコントロールを続けることが、一番の感染症予防になります。そして感染症にかかってしまったら、重症化させないためにも早期の治療が効果的です。少しでも変調を感じたら医師の診察を受けるようにしましょう。

必ず主治医の先生にご相談ください。

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