【高血圧に要注意】糖尿病と血圧の密接な関係を知ろう

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糖尿病の患者さんは、高血圧になりやすいと言われています。「高血圧治療ガイドライン2009」によると、糖尿病患者さんの約半数が高血圧を併発しているとか。

これは、糖尿病ではない人の約2倍の確率です。なぜ糖尿病の患者さんは、高血圧になりやすいのでしょうか?

また、糖尿病と高血圧を併発した場合どのようなリスクがあるのでしょう?今回は糖尿病と高血圧の関係について詳しくみていきましょう。

血圧の上がる仕組みとは

高血圧と血液量・血管の関係

そもそも血圧とは、血液が血管の中を流れていくときに、血管の内側にかかる圧力のこと。

血圧が上がってしまう原因のひとつは、血液の量。血管の太さに対して流れる血液の量が多ければ、血圧は当然上がります。

血圧が上がるもうひとつの原因は、血管の柔らかさ。血液量が多くても血管に柔軟性があれば、血管が広がり血圧を下げることができます。血管が硬い場合、流れる血液の量が多くなるほど血圧が上がってしまいます。

このように「血流量」と「血管の硬さ」が高血圧に密接に関係しているのです。

高血圧と血液・血管の関係

糖尿病と高血圧の密接な関係

高血圧の起こる仕組みが分かったところで、糖尿病と高血圧の関係性についてみていきましょう。

糖尿病が血管や神経・ホルモンといった体内の様々な要素に作用することで高血圧が起こりやすくなります。

糖尿病が高血圧をまねく4つのリスク

血管内のブドウ糖が血圧を高くする

人間の体内では細胞の内側と外側で水分濃度がほぼ等しく保たれています。しかし糖尿病になると血液中のブドウ糖の量が増え、血液の濃度が高くなります。

すると体は血管の外側から内側へと水分を移動させ、濃度を等しくしようとします。その結果、血液の量が増えて血圧も高くなってしまいます。

また、糖尿病により血液の濃度が高くなると血管の内側にブドウ糖が付着しやすくなります。

すると血管内部の血液が通る場所が狭くなり、血管自体が次第に固くなっていきます。これがいわゆる動脈硬化で、症状が進むほど血圧も高くなります。

糖尿病と高血圧の関係

肥満が高血圧を引き起こす

糖尿病の患者さんには、肥満体の方も数多くいます。

肥満体では、交感神経のはたらきが高まりやすくなります。交感神経には血圧を上げるためのホルモンを分泌するはたらきがあるので、血圧が上昇しやすくなります。

インスリン抵抗性が高血圧を引き起こす

糖尿病のなかでも、「インスリン抵抗性」が要因となっている人の場合は血圧も上がりやすくなります。

このインスリン抵抗性の患者さんの場合、インスリンがブドウ糖を体内に取り込みにくくなっているので大量にインスリンを分泌します。

実はインスリンには交感神経を緊張させるはたらきが。交換神経が緊張すると塩分が体外に排出しにくくなります。その結果、血液の濃度が高まり血圧が高くなりやすくなります。

糖尿病腎症が高血圧を引き起こす

糖尿病の合併症のひとつ、糖尿病腎症も血圧を上げる要因のひとつです。糖尿病腎症になると、腎臓が血圧を上昇させるホルモンを分泌するようになります。

また、腎臓が担っている血液の濾過機能が低下することで血液の量も増えてしまいます。そのため高血圧になりやすくなるのです。

高血圧が糖尿病患者さんに与えるリスクとは

糖尿病と高血圧のリスク

高血圧の状態が続くと血管に負担がかかり、次第に血管壁が傷ついていきます。すると血管が硬くなり、動脈硬化を起こしやすくなります。

動脈硬化の進行が合併症発症リスクを上げる

動脈硬化とは、動脈が詰まる・硬くなることでスムーズに血液が流れなくなる状態のこと。糖尿病患者さんの場合、動脈硬化が起こりやすい状態になっています。

そこに高血圧が加わるとさらに動脈硬化が飛躍的に進行し、脳梗塞・心筋梗塞といった合併症を起こすリスクも高まります。糖尿病による網膜症を発症している場合、高血圧によって目の毛細血管が傷ついて網膜症が悪化してしまうこともあります。

さらに糖尿病腎症の患者さんの場合は、高血圧によって腎症がさらに進行することも。すると腎臓が血圧を上げるホルモンを分泌するため、高血圧が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。

糖尿病での高血圧の診断基準

糖尿病患者さんは、血圧がどのくらいの値になったら注意しなければならないのでしょうか。健康な人の場合、最高血圧が140mmHg、最低血圧が90mmHg以上になると高血圧と診断されます。

ただ糖尿病患者さんは、この値を超えなければ良いというわけではありません。糖尿病患者さんは高血圧になりやすいことに加えて、合併症を予防するためにさらに注意が必要になります。

糖尿病患者においての血圧基準

  診察室血圧 家庭血圧
若年、中年、前期高齢者患者 140/90mmHg未満 135/85mmhg未満
後期高齢者患者 150/90mmHg未満 145/85mmhg未満
糖尿病患者 130/80mmhg未満 125/75mmHg未満

糖尿病患者さんの場合、正常値の範囲内であっても、上限に近ければ高血圧の治療を始めることが望ましいとされています。数値でいうと最高血圧が130mmHg、最低血圧が80mmHgが目安となります。

ひとつ注意しなければならないのは、血圧を測る場所。病院で血圧を測定すると、体が緊張して血圧が高くなってしまうことがよくあります。

これを診察室血圧といいます。上記の高血圧の目安は、診察室血圧での数値です。自宅で血圧を測ったときには、最高血圧が125mmHg、最低血圧が75mmHgを超えたら高血圧と考えましょう。

糖尿病患者さんが高血圧と診断されたら

糖尿病で高血圧と診断された場合

高血圧と診断された糖尿病患者さんは、合併症のリスクを引き下げるためにもすぐに治療を始める必要があります。具体的にはまず生活習慣を改善し、できるだけ血圧を下げる必要があります。それでも効果がみられない場合は、投薬による治療となります。

生活習慣で気をつけるポイントとして重要なのは、まず食事内の塩分です。塩分には血圧を上げる作用があるため、できるだけ塩分を控えるようにしましょう。塩分摂取量の目安としては、男性は9g、女性7.5g以下です。

生活習慣の見直しが治療の第一歩

食事の内容としては、血圧を抑える効果のあるカリウムとマグネシウムを摂るように心がけましょう。カリウムとマグネシウムは、野菜類や大豆製品、海藻類、きのこ類などに多く含まれています。ただし、糖尿病腎症の患者さんはカリウム摂取が制限されていることもあるので、医師や管理栄養士の指示の下に食事療法を行います。

適度な運動は、血管を拡張して血圧を下げる効果があります。同時にインスリン抵抗性が改善されることもあり、糖尿病治療でも大切な治療法のひとつになっています。ただし、激しい運動で血圧を上げてしまうと、逆に体に負担がかかってしまうことも。医師の指示に従って運動するようにしましょう。

肥満による高血圧の場合、減量をするだけで血圧が下がることがあります。体重を1kg減らすと、血圧も約1mmHg下がると言われています。そのほか、喫煙は血管を収縮させて血圧を上げる作用があるので、やめておきましょう

それだけでなく、喫煙をしていると動脈硬化も進行してしまいます。また人間は、ストレスを感じたときも血圧が上がってしまいます。ストレスはこまめに発散して、溜め込まないようにしましょう。

糖尿病では低血圧にも注意が必要

糖尿病と低血圧

糖尿病患者さんは、高血圧だけでなく低血圧を起こす場合もあるので注意が必要です。

糖尿病の合併症として糖尿病神経障害が現れることがあります。糖尿病神経障害が起こると、自律神経と末梢神経のはたらきが阻害されます。このうちの自律神経には、血圧をコントロールするというはたらきがあります。

糖尿病神経障害によって血圧のコントロールできなくなると、血圧が下がりすぎて低血圧状態になってしまうことがあるのです。低血圧になると、めまいや立ちくらみを起こしやすくなります。それが時と場合によっては、けがや事故につながってしまうことも。

また、低血圧になると体全体のはたらきが鈍ってきます。すると糖尿病神経障害が悪化して、さらに低血圧がひどくなるという悪循環に陥ることもあります。

まとめ

糖尿病では、血圧が病状の進行に大きく影響することがあります。そのためにも正常な血圧の範囲を知り、こまめに血圧を測ってチェックするようにしましょう。糖尿病と血圧の関係についての知識を身につけることが、糖尿病と上手につきあっていく秘訣です。

特に高血圧は糖尿病と密接な関係があります。脳梗塞・心筋梗塞といった命に関わる合併症を引き起こさないためにも定期検診・生活習慣の見直しを欠かさないようにしましょう。

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