糖尿病の検査はどのようなものがあるのか?

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糖尿病検査

糖尿病は、血糖値が上がる症状によって、様々な合併症を引き起こすことがある怖い病気です。しかも病状の進行は、仕事や運動、ストレスの量など日常生活と密接な関係があるにもかかわらず、かなり進行しないと自覚症状が出ません。そのため検査による早期発見・早期治療が治療成功のカギとなります。

糖尿病の基本検査

糖尿病の検査は、主に血液検査と尿検査によって行われます。

尿糖検査

尿中の糖の量を調べる検査です。定期健康診断や学校検診などで実施されている尿検査がこれに当たります。採取した尿に色が変化する試験紙を浸し、尿中に糖が出ているかどうかを簡易的に判定します(スクリーニング検査)。

正常な場合、食事によって摂取した糖は、血中で一定の範囲に保たれるため、通常は尿中に糖が出ることはありません。つまり尿糖検査で陽性になる場合、糖尿病の疑いがあるということです。

血糖検査

血糖値は、糖尿病診断の決め手となる重要な検査ポイントです。血液中のブドウ糖濃度を調べます。健康な人でも空腹時と食後では血糖の数値に変動がありますが、膵臓から分泌されるインスリンという血糖値を下げる働きをするホルモンによって、一定の正常範囲内の変動でおさまります。ところが糖尿病患者の場合、インスリンの不足や異常によって、食後一気に血糖値が上昇し、空腹時でも数値が高いままの場合もあるのが特徴です。

このように食事のタイミングで血糖値は変動するため、検査は通常、10時間程度糖分を摂取しない状態で、朝の空腹時に採血して行います。

[空腹時血糖値の目安]
正常な場合 70mg/dl~110mg/dl
糖尿病域 126mg/dl以上

糖尿病の確定診断のための検査

尿糖検査および血糖検査で糖尿病の疑いが出た場合は、確定診断のための検査を行います。糖尿病の確定診断は、血糖値と他の検査との組み合わせで診断します。ここでは、その一つであるOGTTという検査をご紹介します。

OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)

ブドウ糖75gを摂取し、その30分後、1時間後、2時間後の血糖値を測定して変動を調べる検査です。

[ブドウ糖負荷2時間の血糖値の目安]
正常な場合 140mg/dl未満
糖尿病域 200mg/dl以上

血糖値を把握する(コントロールする)ための検査

糖尿病と診断されると、糖尿病の治療を開始します。

糖尿病治療の基本は、血糖をコントロールして、より正常な血糖値に近づける状態を管理することですから、刻々と変動する血糖値を正確に把握することが重要になります。そのため、食事や薬を飲むタイミング、場合によってはインスリン注射を打つタイミングによって、患者さんご自身で血糖値を測定し常に血糖値を把握することが必要な場合もありますが、その他の検査で、血糖値の変動を把握し血糖値のコントロール状態を把握することが出来ます。以下に、血糖のコントロール指標となる検査をいくつかご紹介します。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)検査

血糖値が高いと、血液中のブドウ糖がヘモグロビンと結合してグリコヘモグロビンになります。HbA1c検査は、ヘモグロビン中におけるグリコヘモグロビンの割合を調べる検査です。この検査の特徴は、食事の影響を受けずに過去1~2ヶ月という長期間における血糖コントロールの状態が把握できることです。合併症の予防に有用な検査です。

[HbA1cの基準値]
4.6~6.2%

[HbA1cの目標値]
血糖正常化を目指す目標値 6.0%未満
合併症予防のための目標値 7.0%未満
治療強化が困難な場合の目標値 8.0%未満

※1:国際標準化に伴う標記法の変更あり

グリコアルブミン(GA)検査

血糖値が高いと、HbA1c同様、血液中のブドウ糖が血中タンパク質主要成分のアルブミンと結合してグリコアルブミンになります。アルブミンが、どのくらいの割合でブドウ糖と結合しているかを調べるのがグリコアルブミン検査です。グリコアルブミンは、過去2~3週間における血糖の平均値がわかるので、HbA1c検査よりも最近の血糖状態を把握できます。

この特性から、治療法を変更した時の有効度を調べたり、妊娠中や透析中など厳密な血糖管理が必要な場合に、利用される検査です。

[グリコアルブミン基準値]
11~16%

1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)検査

1,5-AGは血液中に含まれる糖の一種です。この1,5-AGは血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなると低くなり、逆に血糖値が低くなると高くなります。つまり、軽微な血糖の改善や悪化を確実に捉えることが出来ます。

この検査は、過去数日間における血糖コントロール状態の指標となる検査です。

[1,5-AG基準値]
14.0μg/ml以上

まとめ

このほかにも、糖尿病の場合、さまざまな合併症を引き起こす可能性があるため、コレステロール値や中性脂肪値の管理、眼底検査、胸部レントゲン、心電図など、症状に応じた検査を適宜行う必要があります。

まずは「どういう目的」で「何を調べる検査なのか」といった検査内容をきちんと知る必要があります。治療意欲を高めて自分の健康管理を正しく行うためにも、糖尿病の検査について理解度を深めていきましょう。

※1.HbA1cの国際基準化に伴う表記法の変更(JDSからNGSPへ)により、平成26年4月よりNGSP値のみの標記となっています。

必ず主治医の先生にご相談ください。

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