遺伝だけじゃない?家族が糖尿病でも予防できる理由とは

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糖尿病遺伝

糖尿病は遺伝するという噂を耳にしたことはありませんか?うちは糖尿病家系だから気をつけなければ、という話を聞くこともありますよね。糖尿病は本当に遺伝する病気なのでしょうか。

今回は、糖尿病と遺伝の関係について説明します。

糖尿病になるのは遺伝のせい?

糖尿病と遺伝子の関係

そもそも遺伝の仕組みって?

遺伝子は、アデニン、シトシン、チミン、グアニンという4種類の塩基の配列によって構成されています。遺伝子の配列のパターンは、300万から1,000万個ほどあり、他人であっても共通している部分が多いのです。

ところが数百個に1個の割合で、この配列に個性のある部分が存在するのです。この特定の遺伝子の機能異常が、病気の発症と関連する場合、発症しやすい遺伝子構造をもっているということになるのです。

糖尿病と遺伝の因果関係

糖尿病は、遺伝的要因に生活習慣が加わって発症する生活習慣病のひとつです。糖尿病と遺伝の因果関係は、現代医学において、いまだ確然たる答えが実証されていないのが現状です。ですから、あくまで症例や患者の統計による推測になりますが、糖尿病そのものが遺伝するのではなく、「糖尿病になりやすい体質が遺伝する」と考えられています。

つまり、親族に糖尿病歴のある人がいる場合、糖尿病を発症する可能性が糖尿病の家族歴がない人に比べると高くなります。このような体質を持っている人に、暴飲暴食、運動不足、ストレス、加齢といった環境要因が合わさって、糖尿病が発症します。

糖尿病は遺伝するとはいえませんが、遺伝と因果関係があります。実際に、糖尿病発症の4大原因は、加齢、遺伝、肥満、運動不足と言われているのも事実です。ただし、糖尿病になりやすいという遺伝的要因だけで必ず糖尿病を発症するわけではありません。

各糖尿病と遺伝の関係をみていこう

1型糖尿病と遺伝の関係

かつては若年型糖尿病と呼ばれていた病型で、糖尿病患者の5%前後を占めます。生活習慣との因果関係は薄く、インスリンの分泌機能が死滅しているので、インスリンを自らの体内で作れないのが特徴です。

1型糖尿病は、突然発症する病気のように見えますが、多くのケースにおいて、両親からリスク要因が遺伝していると考えられ、1型糖尿病に関連する遺伝子も17種類が発見されています。遺伝的な体質に、ウイルス感染などの環境要因が加わって発症するのが1型糖尿病なんですね。

「糖尿病治療の手びき(日本糖尿病学会)」によれば、両親が1型糖尿病の場合に子どもが1型糖尿病を発症する確率は3~5%、両親のどちらか一方が1型糖尿病の場合は発症する確率は1~2%となります。

2型糖尿病と遺伝の関係

2型糖尿病は、かつては成人型糖尿病と呼ばれていました。生活習慣が悪くて糖尿になる場合は、ほとんど2型糖尿病になります。糖尿病患者の実に95%前後という大半がこの2型に分類されます。

糖尿病になりやすい遺伝要因をもつ人に、糖尿病になりやすい生活習慣を送るという環境要因が加わることで2型糖尿病を発症すると考えられています。

遺伝子上の塩基配列の違いによって、同様の生活習慣を送っていても、糖尿病になりやすい人とならない人がいることがわかっています。「糖尿病治療の手びき」によれば、両親ともに2型糖尿病である場合、子どもの2型糖尿病発症率は3倍ほど高くなって約30%となります。

ただし、2型糖尿病は生活習慣の改善によって予防が出来ることも分かっています。糖尿病になりやすい遺伝要因を持つ人でも、正しい食生活や生活リズムによって予防が可能です。

糖尿病の原因は遺伝だけではない

日本人は糖尿病になりやすい遺伝体質?

糖尿病と遺伝の関係

1型糖尿病の罹患率は、日本では欧米諸国に比べて非常に少ないと言われています。一方、糖尿病患者に多い2型糖尿病では、日本人は欧米人よりも肥満率が低いにも関わらず、人口に対する患者数の割合は欧米に比べて日本は1.5倍~2倍高いようです。

その原因は、日本人が民族的に2型糖尿病になりやすい遺伝的体質であると考えられています。インスリンの分泌機能が低下するという2型糖尿病において、痩せ型糖尿病の原因遺伝子が発見されていますが、この危険遺伝子の配列は、日本人に比して欧米人は極めて少ないという報告があります。

2型糖尿病患者数は、日本では過去40年間で30~50倍と著しく増加しているのに対し、欧米では5~10倍の増加に留まっています。ひと昔前の日本は、栄養状態の悪い時代だったため、インスリンによる糖代謝機能が弱い遺伝子が受け継がれているという民族的な背景や、体質の相違の原因があるのかもしれません。

2型糖尿病は複合的な原因で発症する

日本人が遺伝子的に糖尿病になりやすいことが分かりましたが、だからといって糖尿病を予防できないわけではありません。特に日本人の糖尿病患者の95%を占める2型糖尿病は、糖尿病の家族歴があっても生活習慣を見直し改善することで予防することが出来ます。

2型糖尿病は、食事・ストレス・生活習慣などの様々な要因が複合的に関係して発症する病気です。糖尿病発症の家族歴の有無に関係なく、毎日の生活習慣で予防することが出来ます。

規則正しく生活をし、バランスの良い食事と適度な運動をすることで糖尿病にならないようにしましょう。また、定期的な健診も大切ですよ。

まとめ

2型糖尿病は遺伝的要因や環境要因が複雑に関係して発症する病気です。「糖尿病の多い家系だから」が原因だけで発症しません。

糖尿病になりやすい体質が遺伝していても、健康的な食生活や生活習慣を送ることで2型糖尿病は予防できます。まずは自分の生活習慣を見直し糖尿病に備えましょう。

必ず主治医の先生にご相談ください。

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