ケトン体ダイエットによる糖尿病予防が注目されています

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近年、ダイエットの話題などでケトン体が取り上げられることが多くなりました。でもどんな物質なのか、きちんと説明できる人はそれほど多くないのではないでしょうか?

ケトン体とは、体内で脂肪が分解されたときにできる物質。実は、糖尿病とは切っても切れない関係があります。

ケトン体とはどんな物質?

ケトン体とは特定の物質を指す言葉ではありません。アセト酢酸・アセトン・β-ヒドロキシ酪酸のことを、便宜的にまとめてそう呼んでいます。

人間の体は、糖質をエネルギー源にして動いています。しかし、何らかの原因で糖質が足りなくなると、体内に蓄えられた脂肪を分解してエネルギー源にしようとします。このときに肝臓で生成されるのがケトン体です。

ケトン体は、脳やさまざまな臓器に運ばれてエネルギー源になります。特に脳は、脂肪をエネルギーとして使うことができません。そのため糖質が足りなくなると、ケトン体が唯一のエネルギー源となるのです。

糖尿病とケトン体の密接な関係

糖尿病には、生まれつきインスリン分泌量が不足している1型糖尿病と、生活習慣によってインスリンに対する反応が悪くなってしまった2型糖尿病があります。いずれも食事で摂った糖質をエネルギー源としてうまく使えないため、体は飢餓状態に陥ります。

すると体は脂肪を分解してエネルギー源にしようとします。そのため、糖尿病になると必然的に体内のケトン体の量が増えるのです。

糖尿病予防にもなるケトン食&ケトン体ダイエット

脂肪が分解されエネルギー源として使われるようになると、血液中のケトン体が増加します。この状態を「ケトーシス」と呼びます。

ケトーシスは、糖質不足の飢餓状態に置かれた体がとる非常手段です。しかし、ケトーシスになると体脂肪が燃焼するため、ダイエット効果が期待できるという側面も。そのためにあえて糖質をとらず、人工的にケトーシスの状態を作り出すのが「ケトン体ダイエット」というわけです。

一般的には、炭水化物と脂質とタンパク質を2:1:1の割合で摂るのが理想の食事バランスとされています。しかし、ケトン体ダイエットでは炭水化物の割合を極端に減らし、摂取エネルギーの9割を脂肪で摂ります。

実はケトン体ダイエット食は、糖尿病の予防にも適しています。糖質を摂取しなければ、体はインスリンを分泌する必要がありません。インスリンを分泌している膵臓の負担も減ります。ケトン食は糖尿病予防にもピッタリと言えるでしょう。

とっても危険なケトアシドーシス(酸血症)とは?

ケトアシドーシス(酸血症)

エネルギーとして使われなかったケトン体は、尿と一緒に体外に排出されます。しかし、ケトーシスの状態が続くと、排出しきれずに余ったケトン体が血液中にあふれ出します。

ケトン体は酸性なので、血中ケトン体濃度が高まると血液は酸性に傾きます。この状態が「ケトアシドーシス(酸血症)」です。

ケトアシドーシスになると、悪心・嘔吐・腹痛などの症状が出てきます。さらに進行すると血圧が低下して頻脈や意識障害が起こり、最悪の場合は死に至ります。そのためケトアシドーシスが起こったら、すぐに医師の治療を受けなければなりません。

1型糖尿病はケトアシドーシスになりやすい

インスリンの分泌や作用に問題のない健康な人は、ケトン食で糖質の摂取を多少制限しても特に問題は起こりません。しかし、糖尿病患者さんはインスリンがうまく作用しないため、ケトアシドーシスに陥りやすくなります。

特に1型糖尿病の患者さんは、インスリンの絶対量が不足しているため、アシドーシスを起こしやすくなっています。ただ、近年では清涼飲料水の過剰摂取などで2型糖尿病患者さんのアシドーシスも増えていると言われています。

ケトン体の検査方法は?基準値は?

体内のケトン体量を測定する方法としては、血液検査と尿検査があります。最近では、血中ケトン体量も同時に調べられる血糖測定器もあります。

健康な人の血液は、pH7.4の弱アルカリ性に保たれています。pHが7.3以下だとケトアシドーシスと診断され治療が必要になります。

尿検査では、通常はケトン体が検出されることはありません。その状態を陰性として、5mg/dl以上のケトン体が検出されると陽性となります。

尿のケトン体量を調べられるキットも販売されていますが、ケトン体は揮発性のため採取後すぐに検査をしないと正しい結果は出ません。健康な人でも激しい運動をした後には陽性になることがあります。また遺伝的な原因で、生まれつき陽性という人もます。

まとめ

ケトン体ダイエットが注目され始めてから、専用のケトン食を見かけるようになりました。糖尿病の予防も期待できるケトン食ですが、すでに糖尿病予備軍に入っている人が始めるとケトアシドーシスが起こる危険もあります。

中には気づかないうちに糖尿病予備群となっている人もいます。ケトン体ダイエットを始めるときには個人の判断で行わず、必ず医師と相談してから行うようにしましょう。

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