【重要】心不全が起きることも!透析患者は高カリウム血症に要注意 

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心不全

日本で透析治療を受けている患者は、32.5万人と言われています(日本生活習慣病予防協会調べ)。そのうち44%が「糖尿病」が原因で透析を始めていますが、透析患者が特に気を付けなければいけないのが高カリウム血症です。

主な症状としては、カリウムが尿から排泄されず、血中にカリウムが多くなり、不整脈などを引き起こします。早期発見・早期治療が重要と言われる「高カリウム血症」について深く掘り下げていきます。

高カリウム血症とは?

日本で透析治療を受けている患者は20年前は13.4万人でしたが、現在は32.5万人。近年は糖尿病などの原因で腎臓機能を低下させる人が急増しており、毎年3万人以上が新たに透析治療を始めていると言われています。

腎臓の働きが健康な人の6割以下に低下した状態をCKDと呼びます。CKDが進行すると末期腎不全に陥り、最終的に腎臓の働きがゼロになってしまいます。

腎臓に障害がおきると、体から余分のカリウムを除去するという腎臓の作用ができなくなります。これによって、カリウムが蓄積することになります。

腎不全は、病名ではなく腎臓の機能がほとんど失われ、本来の働きができなくなった状態を指します。糸球体や尿細管に障害が起こって腎機能が低下し、老廃物の排泄や体液のコントロールができなくなるため、全身に様々な症状が表れます。

ちなみに、血清カリウム値が5.0mEq/L以上を高カリウム血症と呼び、血清カリウム7mEq/L以上では心肺停止の危険があるために緊急な治療が必要になります。

メタボ、アルコール、サプリメント・・・高カリウム血症になる原因

メタボリックシンドロームは多くの方に知られるようになりました。通称メタボと呼ばれていますが、症状としてはお腹の内臓まわりに脂肪が蓄積した肥満(内臓脂肪型肥満)に加えて、高血圧・高血糖・脂質代謝異常のいずれか2つ以上ある状態を指します。

カリウム高血症はメタボと大きく関係があります。メタボになると高血圧や糖尿病になる確率がぐっと高くなり、CKDを発症させる大きな要因となるからです。腎機能が低下すると、電解質の1つであるカリウムの排泄も減少し、「高カリウム血症」になるケースが多いです。

もうひとつ可能性のある原因として、アルコールの多量摂取があります。アルコールを多量に摂取している人は、筋肉が衰弱し始めることがあります。筋肉が弱くなることによって、筋肉細胞内から多量のカリウムが血中に放出されます。

また、カリウムのサプリメントを過剰に摂取することや、化学療法薬を服用することによって、体内のカリウム値が正常範囲を超えて上昇することもあるようです。火傷などの特定の外傷も、体内のカリウム値を上昇させる可能性があると言われています。

サプリメント

しびれ、脱力感、心停止・・・高カリウム血症の症状

血液中のカリウム値が高くなって起きる高カリウム血症は、初期には自覚症状はあまりなく見過ごしてしまう人もいます。

しかし、症状が進行すると、「口の回りのしびれ」「脱力感」「嘔吐」「味覚障害」などが起こります。血清カリウム値が高くなると不整脈が起こり、最悪の場合、心停止の危険性が高まります。重篤な場合は死亡してしまうケースもあるようです。

また、生殖機能も低下するので、女性は無月経になったり、男性ではインポテンツや精子の数が減少したり、精液が薄くなることがあります。

ACE阻害薬の副作用などで高カリウム血症になるケースもあるようです。薬の服用でない場合は、食事でのカリウムやたんぱく質の摂取量を制限したり、血液中のカリウム濃度を下げる薬を使用することになります。

高カリウム血症の治療

さて、高カリウム血症の治療ですが、血清カリウム値5.0mEq/L以上になるとまず食事を見直してカリウム制限を行います。それでも改善しない場合、余分なカリウムを排泄するために、カリウムを消化器官で吸着させて便に排泄させるカリウム抑制剤(高カリウム血症治療薬)による治療を行います。

カリウム抑制薬は、食物に含まれるカリウムを吸着するので、空腹時に服用しても効果がありません。食事の直前や食後に内服します。

高カリウム血症の予防は食生活から

カリウムは野菜や果物をはじめ、魚や肉などのたんぱく質に多く含まれています。野菜の中ではほうれんそうなどの青菜やかぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜には注意が必要です。食品成分表などで、カリウムを多く含む食品を一度確認しておくと良いでしょう。カリウムの摂取量を一日1500mg以下に抑えることを覚えておいてください。

また、カリウムは水に溶けるので、野菜の場合は、下ゆでや水にさらすことで約3割カットできます。さらに野菜の水けをしっかり絞ると、より一層除去できます。生食したい野菜は、一度水にさらしてから食べると良いでしょう。

果物の場合、生で食べると食べ過ぎてしまうケースが多いです。厳密なカリウム制限が必要になったら、缶詰の果物を利用します。また、最近は、低カリウム野菜を取り扱うお店も登場しています。購入前にカリウムの少ない野菜を選ぶのも一つの手です。

果物は1日200gを超えないようにして、生よりも缶詰やシロップ煮(汁は飲まない)を中心とします。ジュースやドライフルーツにもカリウムが多く含まれているので気をつけてください。

カリウムが含まれる飲み物にも要注意

コーヒーや緑茶にもカリウムは含まれています。カップ1杯のコーヒー(150mg)のカリウムが含まれています。煎茶や番茶、玄米茶、紅茶などのカリウム量はコーヒーの半分か三分の一くらいなどで、飲みたいときはこれらを薄目にして量も少なくして飲むようにしてください。

緑茶の高級種である玉露には飛びぬけてカリウムが多いので、飲むのは厳禁です。ココアもカリウムが多く、たんぱく質も多く含まれているので摂取は控えましょう。黒砂糖もカリウムの多い食品です。

まとめ

糖尿病性腎症や慢性腎臓病の進行とともに、腎臓でのカリウムの排出がうまくできなくなることがあり、血液中のカリウム値が上がりすぎる症状を「高カリウム血症」と呼びます。

「口の回りのしびれ」や「不整脈」「脱力感」「嘔吐」「味覚障害」などをひき起こしますが、症状を緩和させるためには、カリウムの摂取量を減らす工夫がポイントとなります。

たんぱく質の制限をはじめ、野菜や果物の食べ過ぎに注意したり、調理の時は茹でるなど、カリウムを流出させる方法が一般的です。食事制限でも効果がない場合は、カリウム抑制剤を使用して、カリウムを体内から排出させます。

高カリウム血症は一歩間違うと重篤な状態になってしまうために、早期発見・早期治療が大切になります。

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